早々に散ったスペインとドイツ…個性を活かしきれなかった選手起用と戦い方
2010年覇者スペイン 2014年覇者ドイツ
前者はベスト16敗退、後者はまさかのグループステージ敗退。
おそらくこの両チームが早々に姿を消すことになると予想した人は限りなく少ないと思います。
なぜこのような結果になってしまったのか、打開策はなかったのか私なりに考えてみました 。
ハーフスペースと中央への固執
まず、ハーフスペースとは?(手作り感満載の画像でごめんなさい。。。)
コートを縦に5分割して1つ内側、赤い斜線が示すエリアをハーフスペースと言います。
ハーフスペースを活用する利点はCB(センターバック)、SB(サイドバック)のプレイヤーにマークされにくい点です。
マークする側から見ると中途半端なポジショニングをされてしまうので、抑えに行きにくいのです。
SBがマークに行けば、サイドの選手がフリーになってしまう。
ではCBがマークに行くとどうなるでしょう。
ここでハーフスペースに侵入したプレイヤーにCBがマークしに行きます。
要するに食いついてしまうのです。
その結果。。。
この楕円で示されているように、守備側にとっては致命的なスペースが出来てしまうのです。
スペインとドイツは、このハーフスペースを突くのが得意なプレイヤー(イスコ、シルバ、イニエスタ、ロイス、エジルなど)が多くいました。
では、どうしてロシアはスペインの、韓国はドイツの攻撃を抑えたのか。
ロシアと韓国はDFラインに5人のプレイヤーを並べ、さらに中央に守備的MF(ミッドフィルダー)を3人、もしくは2人並べて徹底的にハーフスペースを消す戦術を採用しました。
これによりハーフスペースに侵入してきたプレイヤーは守備的MFがマークしに行きやすく、もし抜かれてもCBがカバーすることが出来ます。
スペインとドイツは固いブロックが敷かれた中央の部分を崩すことに固執し過ぎていました。
サイドのプレイヤーは中央に寄ってきて、よりスペースをなくしてしまっていたのが目立っていたと思います。
CF(センターフォワード)がCBを釣る動きであったり、サイドをもっと活用したかったですね。
CFの起用法
スペインとドイツは、それぞれ1トップを採用しています。
前者はジエゴコスタ、後者はティモヴェルナーを主に起用していました。
前置きしておきますが、リーガとブンデスで得点を量産している素晴らしいプレイヤーです。
しかし、いくら素晴らしくてもチームのスタイルや状況に合っていなければ、能力を発揮するのは難しく、宝の持ち腐れです。
ジエゴコスタは、フィジカルや空中戦の強さが特徴のプレイヤーです。狭いスペースを機敏に動くことや、細かいボールタッチはあまり得意ではないと思います。
スペインは足元で丁寧にボールを繋ぎ、各々のコンビネーションで崩すスタイルです。
ジエゴコスタの個性が活きるスタイルではありませんよね。
案の定、ジエゴコスタは消える時間が多く、セットプレーの競り合いぐらいしかその存在を確認することが出来ませんでした。
一方、ドイツのヴェルナーは圧倒的なスピードでDFラインの裏に飛び出すのが得意で、スペースがあれば無敵なフォワードです。そう”スペース”があればの話です。
韓国は自陣に引き、ヴェルナーが能力を発揮するスペースが全くなかったのです。
ヴェルナーはポストプレーが得意ではないように見えましたし、サイドに流れることが多かったのですが、あまり効果的なプレーはできていませんでした。
打開策はなかったのか?
私なりにロシア戦、韓国戦の打開策を考えてみました。
まずはロシア戦。
細かいボールタッチが得意で、機動力のあるアスパスやロドリゴが投入されてからチャンスが増えたのを見ると、チームのスタイルに合うどちらかがスタメン起用されるべきであったと考えます。前線の機動力を使ってDFを動かし、2列目のプレイヤーをフリーにさせたり、ロシアDFをもっと疲労させることも可能なはずです。
また、後半にナチョに代えてカルバハルを投入していたが、私はルーカスバスケスを投入するのが効果的だったと思います。コンディションが万全ではないカルバハルより良いと思いますし、縦への突破力からの精確なクロスが魅力です。もっとサイドを活用した攻撃が可能になると思います。サイドに相手の意識を向けさせることが出来れば、ハーフスペースのブロックに隙が生まれたかもしれません。
続いて韓国戦。
CFはヴェルナーではなくミュラーか、マリオゴメスをスタメンで起用します。どちらもポストプレーが得意です。ドイツには高さがあります。地上戦が行き詰ったら、高さを活かすことに早くシフトチェンジしても良かったと思います。実際マリオゴメスは投入されて、単純なクロスであっても競り勝っていました。
また、サイドにブラントとドラクスラーを起用します。なぜならスタメンで起用されたロイスとゴレツカよりも縦への突破力があるからです。サイドを突破し、クロスを上げたところに高さのあるフォワードが合わせて得点というシンプルな戦術を採用しても良かったと考えます。
引かれた相手にはサイドにおける個人の突破力が大事だと考えます。その点ブラジルには、ネイマール、ウィリアン、ドウグラスコスタといった優秀なドリブラーがいるのが得点力が高い要因なのかもしれません。
スペインとドイツが去った今大会。
ちょっぴり寂しいですね。笑
ですがこれもフットボールということなんでしょう!
今後の決勝トーナメントも楽しんでいこうと思います!!
最後まで読んでいただきありがとうございます!!